FCNTに買収されたおじさん

 2022年末は確率変動が掛かっていた。


arrows We (FCG01)の入手を契機に

 プリインストールされていた、FCNT製端末の会員アプリケーション、La Member’sを利用している。…と言っても熱心ではなく、気が向いた時に起動してはコラムを読み、クイズに答え、母を連れた買い物の翌日は端末に計測させた歩数を報告(忘れがち)し、ちまちまとLa Point(以降は「ポイント」と呼称)を稼いだり、公式の壁紙を獲得(現在まで2回ほど供給があった)するだけ。

 FCNT 株式会社が提供する、こう言ったサービスの多くは、消極的または受動的にスマートフォンを入手した非ITネイティブ層≒年配の消費者へ、活用の機会を提案し、満足度を向上させ、囲い込むのが狙いらしい。La Member’sの雰囲気は、雑誌 “壮快”に近い。


ポイント活用アンケートキャンペーン

 2022年11月頃?に表題の企画が目に留まった。参加し条件を満たせば200ポイントが贈呈される。コラムの読破やクイズの正答、歩数の報告(2000歩以上/1日)による贈呈が~20ポイント程度な事を思えば、大盤振る舞い!いそいそと参加した。

 同企画では、Wチャンスとして少数の参加者へ20000ポイントも贈呈されるが、期待せず、目当ては200ポイントの獲得だった。

 参加した事すら忘却しかけた頃、なんとなくユーザー情報を確認すると、所有するポイントが、記憶していた値より多かった。履歴を読み、先述したWチャンスに当選したことを理解した。
2022/12/14 21:39 La Pointの履歴

 3000ポイント≒100円≒今回だけで約650円に相当する。物価高の時世に有り難い。


X’masプレゼントキャンペーン

 2022年12月頃?に表題の企画が目に留まった。平時に増して辛い孤独を紛らわすべく参加(簡単なアンケートへの回答が必要だったと思う)した。

 クリスマスの直前に、La Member’sの“お知らせ”へ通知が届いた。不定期に届く“おすすめ記事のご紹介”などと思い、放置プレイしかけたが、気が向いて確認すると「ご当選のお知らせ」だった。当選の歓喜と権利を失効する期日(2023年01月03日)前に気付けた安堵で、情緒が乱高下した。
 示された手順に従い、2022年12月25日に必要な情報を送信すると、2022年12月26日に情報の受領が報告され、2022年12月28日にレターパックで景品が届いた。
2022/12/28 11:13 到着したレターパック2022/12/28 20:07 到着したレターパックの中身
 景品と共に祝辞やサポート情報がしたためられた封書も同梱されていた。FCNT 株式会社から企画を請け負ったらしい株式会社 サウンズグッドカンパニーに、宛名の筆跡(少数なためか手書きだった)などから誠実な印象を受けた。

 当選した景品はTile製のPro (2022)。応募する際に、3つほどあった選択肢から「スマートフォンの活用に繋がる」「便利そう」と選んだ気がする。
2022/12/28 20:17 Tile Pro (2022)を開封した様子


Tile Pro (2022)とは?

 紛失防止タグである。スマートタグまたは忘れ物防止タグおよびキーファインダーなどとも称される品で、Apple製のAir Tagと競合する。Tileは同種の製品で知名度が高い大手。Pro は同社の上位機種となる。短寿命(約1年)と引き換えにボタン電池(CR2032)の交換が可能で、最大120mの到達距離と大音量を誇る。

 全機能を使うにはサブスクリプション形式の課金(Tile Premium)を要するが、基本の機能は永年無料で使える。運用に必要なアプリケーション(iOSおよびAndroid)も無料(通信料は自費)。
 運用に必要なアプリケーションは、動作に位置情報とBluetoothを要求する。位置情報の獲得やTileデバイスの捜索などでWi-Fiまたは公衆無線の通信も利用される。
 TileはスマートフォンとのBluetoothを介した通信で機能を実現する。自身にGPSを備えない(と思われる)。

 基本的に“Bluetoothの圏内でスマートフォンから呼びかけ鳴動させる端末”。Bluetoothと位置情報が共に有効なスマートフォンでアプリケーションを立ち上げ、Tileと通信を確立できれば、鳴動で捜索を補助させられる。Tile側からスマートフォンを鳴動させる事も可能。

 小型かつ軽量でIP67防水を備える。手に持った印象は自動車のキーレスに酷似する。

 Tileがスマートフォンと最後に通信した位置を、アプリケーション内でGoogle Mapsへ反映できるが、アプリケーションを起動していない期間は記録されない。

 ロスト&ファウンド機能を備える。万が一紛失した場合は、拾得した方が背面へ印刷されたQRコードを読み込んでくれれば、連絡を乞うWebページのURLを提供できる。
2022/12/29 19:34 Tile Pro (2022)の背面に印刷されたQRコード
 …が、このQRコードが珍しい色の明暗反転(JISは許容しISOは許容しない)なため、端末やアプリケーションによっては走査できない。あろうことかarrows We (FCG01)も標準のアプリケーション“カメラ”では走査できない!
 オンラインのQRリーダーを利用(情報が漏洩するため利用には注意が必要)することで走査できたため、ハードではなくソフトの問題。当初はQRコードが異常な不良品と思い焦った。
 QRコードに添えられた文言が英語で「SCAN ME IF FOUND(訳 : もし見つけたら私を走査して)」なため、非英語圏の人物に拾われても期待する効果を発揮できるか?微妙。製品のサポート情報などに見えてしまうのも難点で、改善の余地がある。
 「拾得した得体が知れない品のQRコードを走査しURLへアクセスする人」は稀有な存在だろう。Tileを知る人に拾われないと機能しない。認知度の向上が望まれる。

 Tileネットワーク機能を備える。万が一紛失した場合は、他のTile利用者(Bluetoothと位置情報が共に有効でTileアプリケーションを起動中のスマートフォン)による連携(接近した際の位置情報を匿名で共有する)で捜索できる。有効度(遭遇率)は利用者の絶対数と密度に左右される。近傍に居る利用者の概数は、アプリケーションで参照できる。
2023/01/12 22:40 アプリケーションによるTileメンバーの走査
 私の生活圏にもTile利用者が存在するものの、捜索に有効な規模とは思い難い。今後の普及に期待する。


Tile pro (2022)を使ってみて

 便利だと思うが活用の機会は乏しい。冷静になると“見失ったら困る物”はあれど“見失って困りがちな物”はなかった。

 万が一の備えとしてはスマートフォンに対する負荷が高い。はぐれた位置をある程度の精度で得ようとすれば、アプリケーションを起動しっ放さなければならず、アプリケーションを機能させるには、Bluetoothと位置情報を有効にしっ放さなければならない。
 結果としてバッテリーの消費や個人情報の懸念を許容しなければならない。arrows We (FCG01)のような、性能が高くないスマートフォンでは、処理能力への影響も無視し難い。

 今のところ持て余らせている。出荷時に装填されたボタン電池が勿体ないため、外出時に持ち歩くポーチへTileを忍ばせ、出先で位置情報の精度を確かめたり、意味もなく部屋で鳴動させたり、ナードらしくニチャァ…と微笑みながら遊んでいる。
 前者は及第点。Google Mapsで数区画(数丁目)とか平気でズレる。 結果の揺らぎは原理的に避けられない。
 後者はTile Pro (2022)の仕様を実感できる。利用されるプロファイルは不明だが、Bluetoothの可能性を再認できた。

 スマートアラートと称される機能が有料でしか使えないのは残念なものの、収益化における差別点として納得できる。

 Apple製のAir Tagが備える捜索時の誘導(スマートフォンの画面で方角を示す)は備わらない。

 GPSトラッカーおよびGPSロガーとは似て非なる品で、目的がない状態で入手しても活用が難しい。
 とは言え、“魅力的に見えるが実際はそうでもないITガジェット選手権”の上位から、スマートスピーカーデジタルフォトフレームを引きずり降ろすほど難物ではない。

 手荷物の管理に不安が生じがちな旅行(特に団体)は活用の機会となり得る。
 自動車や自転車にブチ込んでおけば、不慣れな施設の広い駐車場で便利(通信の確立と鳴動で捜索を助けてもらえる)かもしれない。


 たぶん余生の幸運を使い切った。んじゃ。

2023年01月26日 : 追伸
 La Member’sでは、2023年01月12日~2023年01月21日にも“今年の目標アンケート”が実施された。
 性懲りもなく参加したところ、またもやWチャンス(先着5000名へ10000ポイント贈呈)に当選した。
2023/01/24 15:05 La Pointの履歴
 La Member’sの企画は、現時点で競争率が低いのかも知れない。

C-Low について

私はロボットではありません 森の木を数え続け 穴を掘っては埋め戻す シベリアで生きるべきヒトです 頭上の星に羨望を抱き 足元の砂に固執します 理解や共感を得られない 排斥の対象です 競争力が乏しく 活路を見い出せません 需要が皆無で 居場所はありません 過程を終え 結果に至っています 社会に適応できない私の発言を 鵜呑みにしないでください ※アイコン(半額シール)の著作権は“イラスト素材 夢想屋”にあります https://musouya-haru.xyz/2019/04/20/discount-seal/
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FCNTに買収されたおじさん への8件のフィードバック

  1. ピンバック: 【arrows We (FCG01)】 バッテリー残量の異常な消費 【Android 13】 | 毎日がエヴリデイ

  2. ピンバック: 【arrows We (FCG01)】 バッテリー容量の異常な消費 【Android 13】 | 毎日がエヴリデイ

  3. ピンバック: 【民事】 “5Gスマホおじさん”の目論見が1年で瓦解 【再生】 | 毎日がエヴリデイ

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  5. ピンバック: 【悲報】5Gスマホおじさんの目論見が1年で瓦解【撤退】 | 毎日がエヴリデイ

  6. ピンバック: GIGAZINEに買収されたおじさん | 毎日がエヴリデイ

  7. C-Low より:

    Tile pro (2022)について

    “ロケーション履歴”を活用するには
    TileアプリにBluetoothや位置情報を許可するだけでなく
    Googleの“マップ”アプリにも位置情報を許可する必要がある

    Tileアプリは“ロケーション履歴”の表示に“マップ”(のプラグイン?知らんけど)を呼び出しているため…と思われる

    TileアプリはGoogleの“マップ”アプリに位置情報を許可しなくとも動作するが
    Tileアプリ本来の安定性や機能性および精度は
    Googleの“マップ”アプリに位置情報を許可しないと発揮されない

    Googleの“マップ”アプリに対する位置情報の許可は
    “アプリの使用中のみ許可”で良い

    なお上述した情報は
    Googleアプリに対する位置情報の許可(常時)を前提とする

  8. C-Low より:

    La Member’sでは、2023年02月10日~2023年03月31日にも“あなたが考えるエシカル行動アンケート”が実施された。

    2023/02/10~2023/02/19ぶんに参加したところ、謝礼として200ポイントが付与され、Wチャンス(先着5000名へ10000ポイント贈呈)に当選した。

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